ちょい照れ

2001年1月1日

危険極まりない

2000年9月24日
彼女が家やってきた。
ホントは彼女の相手などしてるヒマはなく、
部屋の掃除をしていたかったのだが(爆)
しかし今日を逃がすとまた半月ぐらい会えなくなるので
仕方あるまい。

昼間にとりあえずなんとか部屋を片付けて
夕方来てもらう事にした。

夜江古田で一緒に夕飯を食べて、ゲーセンへ。
オキニのRちゃんがいた。髪型変わっててかわゆい(死)
この子とは最近ほとんど喋ってなかったので
たくさん話などしたかったのだが、残念ながら今夜は
恐ろしい番人付きであり、あまり長く話してると

「顔がニヤけてた」

などどとボロクソに言われる危険があるので
二言三言話しただけで家に帰った。

まあよい。23時ごろ彼女が帰ってからまた行けばいいのだ、
と悪魔のようなUターン計画を考えていたら

「泊まっていく」

と彼女。なにいいいい??
計画挫折。今も寝っころがりながらテレビを観ている。

「ねえねえ、コレ歌って〜この歌あなたに歌われたらメロメロ〜」

とスマップだかなんだかの歌が流れているのを観てくだらない事を
言っている。しらねえっつの。そんな歌今はじめて聞いたっての。

しかし僕もこんな至近距離でこんな日記書いてるし。
でも大丈夫。堂々とやりゃあいいのよ。
見られないって。あはは。
ハゲビトに気をつけよう。
ハゲビトには陽性、陰性に分かれている。
会社にいたつるピカハゲ丸おじさん、田口さんは
陽性だった。自分がハゲなのを逆にネタにしている人だった。
頭をぺちぺち叩きながら

「雨が降ってくると人よりも敏感に分かるんだ。ガハハ」

などと言っているので周りの僕らも言いたい放題である。
防災用品でヘルメットを買い揃えなくてはならない時には

「田口さんは天然のヘルメットいつもしてるから買わなくていいよね」

とか

正月開け、会社で早速会った田口さんに

「今年初日の出拝んでなくて」

ポンポンとかしわ手を打つ。

記念写真を撮る時はいつも

「田口さんはフラッシュが乱反射するから入っちゃダメ!」

とからかうのがお約束だった。
それでも田口さんはニヤニヤしながら自分の頭をくりくり
撫でていたりした。いい人だったなあ…。ってまだ生きてるけど。

んで、ウチの会社の某お偉いさん。
この人も見事につるっぱげなのだが、陰性に属す。
やはり自分のハゲをネタに時々自虐的なギャグをかますのだが、
この人が田口さんと同じ人種だと思ったら大間違いである。
自分で自分のハゲネタを言うぶんにはいいくせに、
人から「ハゲ」と言われるのは大嫌いなのだ。こういう人は大変危険だ。

自分で言ってるからこの人にはハゲネタはオープンだ、
なんて勘違いしてからかったりすると一生根に持たれる羽目になる。
噂によると それで出世の道を閉ざされた人がいるとかいないとか…。

なんでこんなことをいきなり書いてるかというと、
友達の一人が妙に薄くなりだしたから。
こいつは陰性だろうか、陽性だろうか?

触れないに越した事はないんだが…
ハゲますくらいならいいか。

即バレ警報

2000年9月18日
オキニの女友達、Rちゃんがパソコンに興味を持ち出した。

「パソコンの相場っていくらぐらい?」

と聞いてきた。もちろんどの程度のパソコンがよいかは
目的にもよるしデスクトップかノートかでも
価格は随分違うのだが…。

「何をやりたいの?あとデスクトップとノート、
どっちがよい?」

「ノートは高いからでっかくてもいい!とりあえず
ネットとEメールがやりたくて…」

「じゃあ10万ぐらいでしょ」

「そっか。ありがと」

がびーん。
僕は「高い!やめよう」と答えるのを期待していたのである。

何故ならこれは僕にとってはかなりヤバイ事である。
万が一ココが見つかったらとんでもなく恥ずい。
彼女に見られるのも嫌だがRちゃんに見られるのは
気が狂いそうなほど嫌だ。
出家するか栃木の山の中に篭もってしまうかもしれない。

Rちゃんには失礼だが、フリーターの彼女にそんな
金銭的余裕はないと思っていた。米も買えない時があるぐらいだし。
(9/8の日記)
ココも書きたい放題にしていたのだが…
ちょっと考え直さなければならないなあ。

彼女がやってきたのが一昨日の夜。
横になってテレビを一緒に見ていたら寝てしまった。
気付いたらもう明け方の4時だった。
彼女の姿はなく、どうやら帰ってしまったようだった。
ふと、パソコンに目をやるとキーボードの上に
メモが置いてあった。

「ぐっすり寝ていたので起こさないで帰ります」

…こーゆーことやられるとめちゃくちゃ気が重いんだけど。
向こうは気を使ってくれたのかもしれないが。
引っ叩いてでも起こしてくれた方がありがたかった。

それで「悪かったね」と電話を入れたのが昨日の晩。
しかしちょっとイヤミも言ってみる。

「ちょっとは起こそうとしてくれてもよかったじゃないか」

「一応は起こそうとしたのよ」

「どうやって」

「ちゅうっ、て」

「は?」

「ちゅーって。寝ているあなたの唇奪っちった。でも起きてくれなかった」

ケータイを放り投げて夜道を全力疾走したくなるほど
恥ずかしくなった。

「僕は眠り姫ではないし、君も王子様ではない。
大体そんなんで起きるか?僕の寝起きの悪さを知ってるだろう?」

意味もなく威張り出す僕。

「人が寝ている間にあんま悪さするなよなあ」

寝首を掻かれなかっただけ、まし、か。
と思いつつ…。
僕の彼女。
ネットを初めた当初、メル友を欲しがって
募集をかけた。
同性のメル友を欲しがっているのだが
やはり圧倒的にオトコからの方が呼びかけが多いらしい。

そこで僕と彼女の共通の友人であるY子。

ネットもやっていて、
更に僕のオキニのRちゃんとも顔見知りで、
僕が日頃Rちゃんにウツツをぬかす、
そのへんの事情も知っているから

時々ICQで彼女の良きグチの聞き役に
なってくれているようである。

こんなことを彼女が言っていた。

「時々Y子さんとICQでしゃべる事があるけど…」

「どんな事しゃべってるの?」

聞いておきながら内心ちょっとびくびくの僕。

「アナタのことに決まってるでしょ」

「うげ」

やはり聞かなければよかった。

「アナタがRちゃんのこと超気に入ってるみたいだから〜」

「そんなグチなんかY子に言うなよ〜」

「Y子さんにね『あいつ、いつか刺してやる!』って言った事があるの」

彼女がニヤリと笑った。
本気か?また彼女の知らない一面を
見てしまったような気がした。それよりもY子は
いい迷惑だ。

「で…Y子はなんて言ってた?」

「うーん、『まあまあ』とか『抑えて』とか…」

どうやら僕を庇ってくれたようである。

この時「やったれ」って言われてたら
僕の命はなかっただろう(笑)

Y子、すまんね。世話かけるね。

和製人魚姫

2000年9月12日
デンマークに飛び立ったヨウコさんからやっと手紙が来た。

よかった…生きてた…。いや、まじで。

エアメールなんて産まれてこのかたもらった事なんて
数えるほどしかないのでそれだけで少し嬉しい。

Eメールも来た。どうにかこうにかネットできるところを
見つけたらしい。ただしEメールの方は全て
アルファベット。
向こうのパソコンに日本語のフォントなど入ってる
はずがない。

だから文も英文とローマ字書き日本語のチャンポンで
奇妙なメールとなっている。

ヨウコさんはなんとかやってるらしいけど
デンマークには日本人が全国で800人ぐらいしかいない。
だからまだ日本人と会ったことがないという。

「日本語喋りたいよ〜寂しいよ〜」

と書いてあった。あとこんなことも。


昨日ドイツ人が話しかけてきたんだけど
その人の英語が英語に聞こえなくてさあ〜

「Could you speak in English?」

っていってしまったら

「I’m speaking in English now!」

と怒らせてしまったよ〜。

AHAHAHAHAHA!!!!

ってここは笑うところなんだろうか…。
ちょっとだけアメリカンジョークちっく(でもない?)

やはり北欧だけあって既にコートを着ているとのこと。
昼間は20度あっても夜は0度になるという。

は〜新天地でひとり頑張ってるな〜。
僕も見習わないと…。

ひとまずヨウコさんから貰ったカレー(レトルトだけど…)が
食べたくなった。

しかし米がなかった…。Rちゃんにはわざわざ贈ってたくせに。

米米ウヲー

2000年9月7日
明日は友達、Rちゃんの誕生日だったりする。

Rちゃんは滅茶苦茶な美少女なので
大好きだったりする。

そして誕生日プレゼントをささやかながら用意していたりする。

しかあし!!誕生日当日は会える訳ないっつの。
普通彼氏と過ごすっての。

所詮僕はその程度の扱い
だっつーの、
だっつーの!
だっつーの!!

だから今日あげてしまおう。そう思った。

であるからして、誕生日プレゼントも高価な物とか
あんまシャレにならんテンパッったものはまずかろう。
年の数だけのバラの花束とか。くっさー。
(どうでもよいが「紫のバラ」って本当にあるのかな…「ガラスの仮面」)

ということでこーいう時の贈り物は消え物(食い物)が
無難で良い。つーか考えるのめんどくなってきた。
で、買ったのが

「米」

魚沼産こしひかり。…我ながらセンスのかけらもないと思うが
あの子、エンゲル係数高そうだから一応、喜ぶだろう。多分。
それでさっきあげてきたのだが…

「わー。今お米なくて…買えなくて…ラーメンとかばっかりだったんだー」

僕の予想は当たったようである。

まあいいや。所詮その程度の仲だっしー。

想いを米て。(爆)
昨晩彼女がやってきた。
明け方寝て夕方まで寝倒した。

深夜から横浜のほうに向かうので
それまで共に飯食ったりゲーセン行ったりしてヒマを潰す。

江古田のいつものゲーセンに行くとオキニのRちゃんがいた。
彼女とRちゃん、鉢合わせるといつもろくなことがないんだよなあ…。

以前「Rちゃんの前だと鼻の下伸びまくり」と彼女に指摘された事があるので
この日は表情を隠すためにグラサンをかけてた(笑)

それに訳知りな他の店員さんやゲーセン友達はみんなニヤニヤするし…。

というわけでこの日の僕はRちゃんの前でも慎重におとなしめに接する。
彼女はRちゃんにアメをあげたりして一見仲よさげ。
(おい、僕そのアメもらってないぞ)

しかし後で

「アナタってRちゃんの前ではホント嬉しそうなカオするよねえ…」

と言われる。

「アタシには絶対見せた事ないよねえ…その表情」

ニヒルな笑いをしながらそんなことも言う。
そら始まった。

つーかグラサン効果、
まるでなし!

ヨウコさんとお別れした夜、彼女と会った。

会う約束を仕事の都合で昨晩ドタキャンの電話を入れたのではあるが、
声色からすると思いっきりブルーになっているに違いない。

そう思って、仕事を強引に同僚にぶん投げ、彼女に職場から
「7時に来い!」と電話した。
それで強引に午後7時に駅で彼女と待ち合わせした。

やはり機嫌が悪そう。
そのうち

「メールで『会う日まであとX日』とか毎日カウントダウンして
かったるかったでしょう?」

「ヨウコさんて誰?」

ここの日記を見ていなければ分からないことを言ってきた。
彼女はここの日記を見ていたのである。

僕は彼女には1回HPを見られたことがあり、それでケンカになったのだが、
その後に「もう見ない」という約束はしていた。

しかし彼女がもう絶対見ないということは有り得ないと思っていた。
僕への不安が高まってくると必ずここを見たくなってくるはず。
だからまた見られた、と言われてもそれほどショックはなかった。
そこまで彼女を不安にさせたのは僕の責任である。
かなり何の連絡もしてなかったからなあ。

この日、彼女は僕と別れるつもりで僕の日記を見たらしい。


しかし僕と会ってから勝手に怒って勝手に泣いて、勝手に機嫌を直して勝手に笑って
「またね」と言って帰っていった。

僕はただ彼女のそんな様子を見て、話をただ聞いていただけだった。

電話、チャット、メール、会えなくても話す手段はいくらでもあるが
彼女は実際会わないと不安は取り除かれないらしい。

しかしそれでもこんな露悪癖ぷんぷんの日記を書き続ける、
僕は何なのだろうか?

今度こそサヨウナラ

2000年8月29日
会社の昼休みに織物職人ヨウコさんに会った。
デンマークの大学の講師となりもうとっくに旅立ったかと思ったら
フライトを31日にあっさり延期していた。
なんでも今日はいろんな人に挨拶してまわってるんだとか。
とりあえず喫茶店に行く。

ヨウコさんぶつぶつ呟いてる。

「アイスコーヒー、牛たん定食、アイスカフェオレ、アイスコーヒー、ケーキ、コー
ヒー、アイス、アイスコーヒー、コーヒーゼリー…」

「なにそれ?」

「今日口にしたもの〜沢山の人とそれぞれ茶店でに会ってるから」

げ…コーヒー飲み過ぎだよ。一体何人に会ってるんだか。

「それでね…みんなに配ってるんだけど…一人二枚ずつ」

ヨウコさんはポストカード二枚取りだし、ハンコをばん、ばん、とそれぞれに押した。
ポストカードに「AIR MAIL」と赤い字がついた。

「このハガキでね、デンマークの私宛てに送って欲しいの」

「…いいよ?」

良く話しを飲み込めてない僕。

「あ!二枚同時に出しちゃだめだよ!私が向こうでへこんでる時期を
見極めて、出してね」

「そーいうことか。それを2回やれということか。分かったよ」

昼休みの残り時間も少なくなり、記念にプリクラを撮った。
しかし、見事大失敗して二度と見たくないものになってしまった…。

駅でヨウコさんを見送ってお別れ。
彼女は何度も振り向いていた。
今度こそ、サヨナラ。元気で。

電話地獄

2000年8月28日
昨晩の話。
夜更かしが祟り21:00ごろから爆睡していたが
寝ている間に3本の電話に叩き起こされた。

最初は彼女から。
次の日に会う予定になっていたのが僕の仕事の都合で
駄目になった旨をメールしておいたのだが…。

「ごめん。会えなくなった」

「あっそ。わかった」

ガチャン。め、めちゃくちゃ怖いんだけど…。
どうしよう…またヘソ曲げてるよ…。明日電話入れるか…。
…僕がすべて悪い訳じゃないのに…やな予感がする…。
zzz…。
zzz…。

次の電話は、ぬあんとデンマークに旅立ったはずのヨウコさんから。
また叩き起こされた。

「あれ??今どこから?」

「日本」

「ええ?」

「前日まで仕事して、次の日フライトってのは無理があったわ。あははは…」

なんでも明日、僕の昼休みに会わせて
会社の方に顔を出してくれるという。嬉しい。
嬉しいけどもう一度お別れするのは辛い…。
…彼女との約束がダメになって…ヨウコさんと会う…
なんだかなあ…本末転倒だよ…あ…
プリクラ一緒に撮ってもらお…。

zzz…。
zzz…。(それでも寝る)

最後はショートメールの着信で起こされた。

「寝てるでしょ?おやすみ」

いや、起こされたんですけど…。
完全に目が覚めた。回り始めた頭で先ほどの電話の内容を
反芻しつつ、明日はどうなる事やらと
思い悩む夜であった。

オタクな話

2000年8月27日
僕がいつもゲーセンでよく見かける人物、通称汗デブ君。

一人でいつもビートマニアとかダンスダンス
レボリューション(DDR)をやっている。
(僕も似たようなもんだが…)

推定年齢25才。身長170センチ、体重90キロほど。

かなりの汗かきらしくいつもグレー系のくすんだ色の
Tシャツを着ているのだが
ゲームをやりだすと背中に汗のシミが浮き出てくる。
しばらくするとそのシミは背中全体に広がり
見苦しいことこの上ない。

なかでも一番汗をかきそうなゲーム、DDR。
流れてくる音楽に合わせて全身を動かしまくらないとダメなのであるが
汗デブ君の踊りまくる動きがジタバタとしていてとても見苦しい。

焼けた鉄板の上で丸焼きにされる豚のもがきに
そっくりだ。(見たことないけど)

一度彼女をゲーセンに連れて行った時、ちょうど
汗デブ君がDDRをどたばたとプレイ中だったのだが
彼女はそれを見るなり腹を抱えて大笑いしていた。
彼に気付かれないかとこっちがヒヤヒヤしたもんだ。

結構ゲーセンに通い詰め、ゲームも相当回数やってるわりには
あんまり上手くない。

また、ゲーセン常連化すると仲間もできそうなもんだが
いつも一人である。


そんな彼は意外と童顔。近所の弁当屋の息子らしい。

小夜奈良

2000年8月26日
ヨウコさんとお別れの日。

仕事を終えて五反田のヨウコさんお勧めの東南アジア料理店に行く。

元同僚のチョビ子もなんとか捕まった。久しぶりに会った彼女は日に焼けていた。

チョビ子はこの日、白いTシャツとバミューダ、ビーサンというナメきった恰好。

おまけにばかでかいスーツケースを引きずっていた。

「これから11時の船で伊豆大島に行くんです〜」

スキューバダイビングにおおハマリ中なのだ。
しばしチョビ子の近況報告会となった。

彼女は会社を辞めてからスキューバに目覚め、沖縄、南紀、伊豆、この夏だけで
あっちこっちで潜りまくっていたらしい。

おまけに8月中は父親のいる大阪に滞在し、ヨウコさん作成の
「美味い店リスト」に忠実に従って
パックマンのように食いまくっていたとのこと。

「で、いつのまにか大阪と沖縄に彼氏ができちゃって〜。
いやあん、フタマタ〜」

「いやあん、じゃねえだろ」

「キミの好きなようにするがいいさ」

乾いた笑いをするヨウコさん。

船の出発が近づいたチョビを駅まで見送り、ヨウコさんと2人で別な店へ行く。

「やっとできたのよ、これ…」

と、ヨウコさんが僕にくれたのはぬあんとトロのタペストリー。
もちろん手作り。

すごい物だ。超感激。
僕もヨウコさんに餞別を渡す。こないだの休みの日、
何を贈ろうかと新宿/原宿/渋谷を
うろついて散々迷ったのだが結局何も買えず、やはり僕のトロ
コレクションからプレゼント。

かなりオタッキーな贈り物だがヨウコさんは家で3匹飼っているほどの
ネコ好き。

何しろデンマークにはトロは売ってない筈だ!!

・トロの歯磨き・タオルセット。
・ぶるぶる震える小トロぬいぐるみ。
・トロ扇子。

僕らしい贈り物ではある。喜んでくれた。
遅くまで一緒にいた。

「よぴ(ヨウコさんのこと)、デンマーク語で
『サヨナラ』ってなんて言うの?」

「え…まだわかんない…はは、私、授業も全部英語でやるからさ」

なんとなくほっとした。「サヨナラ」なんてあまり言いたくなかった。

最後握手して別れた。さすがに泣けてきたがばれないようにお別れ。

家に帰ると更に寂しくなってきた。

こんぴーたーを開くとチョビ子から能天気なメールが入っていた。

自分のHPも覗いてみたがキーボードを叩く気力もなく

トロのタペストリーを壁にかけ、寝た。
甘い物を求めてさまよう甘い物会。
現在僕と織物職人ヨウコさんで活動中なのだが
もう一人メンツがいる。

ハスキー犬に似ているのでチョビ子と呼ばれている女の子。
一ヶ月ほど前にいきなり会社を辞めて沖縄に飛んで行った。
行動が直感的というか、行き当たりばったりというか、
まさに犬のような独自の嗅覚で何かを嗅ぎ取って動いているように見える。

ある日チョビ子から電話がかかってきた。

「おとといから沖縄の海でスキューバの免許取ってるんです〜。
インストがカッコいかったから告ったけどふられちゃったー」

「3日目で告るなっての。うまくいったところで沖縄の人だろう?
どう付き合うっていうんだよ?遠すぎるじゃん」

「えー、でもかっこよかったんです…」

チョビ子はいつも気に入ったら即、告白。
本能で動く女なのだ。

それから一週間後ぐらいして僕はチョビ子に
「免許は取れたか?」という内容のメールを送った。すると

「祇園祭り、楽しかったです〜」

全くとんちんかんな返事が来た。ていうか、
いつの間に京都にいるんだよ。

さて、ヨウコさんのデンマーク滞在が決まり、出発は27日。

その前に「甘い物会」の3人で
お別れ会をすることになっていた。

それまでは絶対戻って来るように、とチョビ子には言いつけてあるのだが
そんな調子でしばらく掴み所がなかった。

4日前くらいにやっと東京に戻ってきたので

「分かってるだろうな?3人でお別れ会、やるんだぞ?」

電話で念押しをしたのだが

「明日から今度は伊豆に行くんです〜。25日戻ります〜」

頼むからじっとしていてくれえええ!!
ほんと犬のように突発的な行動。

「きっと誰かが伊豆の方角に骨を『取ってこい』って投げたのよ」

とはヨウコさん談である。
「犬を探しています」
と、貼り紙でも作ろうかな。

「頑張れあと10日!」

「頑張れあと9日!」

きのう、おとといと彼女が僕のケータイに飛ばしてきた
メールである。

これは次に僕と会える日、9/2までのカウントダウンなのだ。
こないだちょろっと顔を見せたきり、
今月はまともに会ってないので無理矢理にでもテンションを
高めておきたいのだろう。

頑張れ、というのは僕あてでもあり彼女自身へのはげましである。

こんなこと連日でやってくるなんてまことにかったりい、
いや、いじらしい。

しかしとうとう我慢できなくなったのか28日会いたいと言って来た。

彼女は休みなので僕の会社の近くまでやってきて、僕が会社を上がった後
ちょっと会う、というシナリオ。

ちょっと無理があるかもしれないが僕は承諾した。
僕に「頑張れ」と書いたメールは
僕に「頑張れ」と言って欲しい事をあらわす。

今日もまたメールが来た。

「頑張れあと4日!うふ」

日数が一気に減った。うふ、だけ余計じゃ。

マイナー派なヒト

2000年8月23日
会社の昼飯時、隣の机の同僚にして織物アーティスト、
ヨウコさんからメモ爆弾が飛んできた。
内容は

「この辺でネット繋げるところない?」

何でも昼休みの間にどうしてもメールを送りたいらしい。
ちなみにウチの会社はへぼいのでネットなんか繋がってない。
ヨウコさんもeメールが飛ばせるケータイも持っていない。

それで僕がよく行っている職場の近くのネットカフェを
教えたのだが何故か一人では恥ずかしくて行けない、
と言うので僕も昼飯がてら一緒に行くことにする。

考えてみればヨウコさんと昼ご飯を一緒に食べたことはなかったので
浮かれてきた。

「あ、ヨウコさん、そこのパソコンは全部ウィンドウズだけど大丈夫?」

ヨウコさんの顔がひきつった。彼女はアーティストなので(?)
Mac使いである。

「世間はMac使いに冷たいわ〜。ふん。ウィンドウズだって使いこなしてやるっ!」

「起動するブラウザはIE(インターネットエクスプローラー)だよ」

「えええ!?ネスケ(ネットスケープ)じゃないのおお?」

更に落込んだヨウコさん。

「…私の選ぶものって、いつもマイナーの道を歩んでしまうのよ…」

「成る程。WinよりMac、VHSよりβ、アカレンジャーよりアオレンジャー、
郷ひろみより若人あきら…」

「何よっ。そこまで言うと怒るよっ。それに最後のは絶対変!」

怒ったのでとっとと行くことにする。

慣れないウィンドウズとブラウザのせいか、メールを送るのに手間取ってしまい
昼休みの時間が残り少なくなってしまったので、
昼食はファーストフードで済ますことにした。

すぐ近くにマクドナルドがあったのだがちょっと遠くのモスバーガーに入った。

「ヨウコさん、やっぱりハンバーガー屋選びもマイナー?」

「モスはマイナーじゃないでしょ?失礼よ〜。それに…」

「それに?」

「私、本当はドムドムバーガーが好きなの」

もうこの人最高。ちなみに彼女のケータイはツーカーである。

マイナー万歳。

オワカレ

2000年8月22日
昨日の日記のヨウコさん。
実は8/26を最後に会社を辞めデンマークに翔び立つ。

織物の達人である彼女は海外でも個展を開いたり
展覧会に作品を出展したりしている。
その腕を買われてデンマークのある大学に
織物の非常勤講師として招かれたのだ。

大変素晴らしいことに違いないので
僕は祝福して見送るしかないんだが、寂しいねえ。

会えるのがもう限られているので近頃あんなに
いろんな所にしょっちゅう出掛けた。

そしてこうして机を並べて仕事することも
残りわずかとなってきた。

今日僕の机に隣からポンとメモが飛んできた。
無論投げてきたのはヨウコさんだ。
向こう住所が書いてあった。
デンマークでの住まいが決まったようだ。

お別れが近いという実感が湧いてきてしまった。
好きになった人に限ってすぐ遠くに行ってしまう。

ひどい奴なんか天国まで行ってしまった。
人と出会うと、そのぶん悲しみが増えますもの、と言ってたのは

誰だったろう?

それにしても彼女とはよく食べ歩いた。
お別れの時もエスニック飯か甘い物を食べながら
見送ってあげたい。

羊三本勝負

2000年8月21日
女友達ヨウコさんは羊毛を使う織物職人であり、
気が付いたら自分の作品がスペインで展示されていたりする
その道のエキスパートである。

だから羊とはお友達のはずである、と
僕は思っていたからだ。

でも、ヨウコさんとカレーを食べに行ったとき、その幻想は
あっさり覆された。

「ラムカレー、食べたい!!」

「え〜?ヨウコさん、織物職人のくせに羊食べるの?」

「うん。なんで?」

「織物の糸って、羊毛でしょ?」

「うん。マイ羊も持ってたんだよ。かわいいよ」

「なのに!なんで食べるんだよ!かわいそうだって思わない?
僕の知ってる競馬好きな人達は全員馬刺し食べないよ」

「だって。美味しいんだもん。毛は刈れるし、かわいいし、おいしいし、羊大好き」

「…分かったよ。じゃあ僕もラムにしよう」

その飼っていたマイ羊というのも食べてしまったに違いない。

いや、考えるのはよそう。きっと食べちゃいたいぐらいかわいくて、食べてしまったのだ。

彼女にとってはそれだけのことなんだろう。
こういうのも合理的、というのかな。

逢瀬

2000年8月20日
彼女と休日が全く合わない。
今日は僕だけが休日、彼女は仕事だったが
僕が彼女の仕事場の近くまで行って会うことにした。

しかし、遠かった。同じ東京都だから、とタカをくくっていたら
大間違いだった。

中央線で立川で乗り換えて枝毛みたいな青梅線に。
拝島でそのまた枝毛みたいな五日市線(単線…)に乗り換え。
立川駅で青梅線のホームに降りた瞬間、明らかに空気が違った。

超イナカ臭いっ。

電車の中に入ってもあかぬけないジャージの男子中学生の軍団などが
陣取っていて思いきり北関東テイスト。

んで目的の駅に降りたら真っ暗だわ、東京の癖に虫の声はうるさいし、土の匂いもする。

「車で迎えに来るから駅前で待ってろ」

という彼女の指示でしばし待つ事にする。

「ぎょおざー、ぎょおざあああああああ!」

さおやー、さおだけー、の調子で軽トラがのろのろと通り過ぎる。

なんだ??この地方は流しの餃子売りがいるのか??
恐るべし東京WEST…。

…。
…。
遅い…。迎えが来ない…。不安になってきた。

「ぎょおざー、ぎょおざあああああああ!」

餃子屋がUターンして来やがった。うるせえんだよっ!!

20分ほど待たされて彼女がやって来た。
ほんの1時間ぐらい会っておしまい。
まあ、僕は顔が見れただけでいいんだけど。
会えないブランクが続くと後が怖いし。

別れ際になるとすぐ泣き顔になる彼女。
しかしまた会えるのは2週間先。

ほぼ遠恋とかわらん…。

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